ステップ1〜3では、
- Excelで表データを整理して、
- SQLでデータベースから情報を取り出し、
- BI(Tableau)で「伝わるグラフ」を作る
という、現場で即使えるデータ活用の土台を固めてきました。
ステップ4では、いよいよ
「AI・機械学習で何が起きているのか、なんとなく中身が分かる人」
を目指して、Pythonと簡単な機械学習に触れていきます。
このステップで目指すゴール
ステップ4のゴール
- Pythonの基本文法(変数・条件分岐・ループ・関数)がざっくり分かる
- pandasを使って、CSVデータの読み込み・整形・集計ができる
- scikit-learnを使って、「回帰」と「分類」の簡単なモデルを動かせる
- 「機械学習って何をしているの?」と聞かれたときに、日常の言葉でざっくり説明できる
ここではいきなり難しい理論や高度なモデルに踏み込む必要はありません。
「ブラックボックスに見えていたAIの箱のフタを、少しだけ開けてみる」
ぐらいのイメージでOKです。
なぜPython+機械学習を“ほんのり”でも触っておくべきか
1. 「AIを使う側」になるために、中身のイメージがあると強い
最近はノーコードツールやSaaSを使って、コードを書かなくても機械学習モデルを利用できるケースが増えています。
ただ、
- どういうデータを入れたら危ないのか
- どんな前処理が必要なのか
- モデルの結果をどこまで信じてよいのか
を判断するには、中身のイメージが少しでもあるかどうかが効いてきます。
2. 「エンジニアになるかは未定」でも、Python経験があると選択肢が広がる
データアナリスト/BI寄りのキャリアでも、Pythonを少し触っているかどうかで、任される仕事の幅や、キャリアの選択肢が変わってくるのは事実です。
「ガチガチのエンジニアになるつもりはない」という人でも、
このステップは“見える景色を広げる”投資としてかなりコスパが良い領域です。
学習の全体イメージ(2〜3ヶ月)
ステップ4は、2〜3ヶ月くらいで次の流れで進めるイメージを持っておくとスムーズです。
- Pythonの環境を整える(Jupyter Notebookなど)
- Pythonの基礎文法に触れる
- pandasで表形式データを扱う
- グラフ描画ライブラリで簡単に可視化してみる
- scikit-learnで「回帰」と「分類」の超入門を体験する
- 小さなミニプロジェクトを1つ作ってみる
順番に見ていきます。
1. Pythonの環境を整える
おすすめの環境イメージ
- Anaconda(ローカルPCにインストール)
- もしくはブラウザ上で使える環境(Google Colabなど)
「PCにインストールするのが怖い」「会社PCで制限がある」などの人は、最初はブラウザ環境(Colabなど)から入る
最初に覚えたい操作
- Notebookを新規作成する
- セルにコードを書く/実行する
- print() で結果を表示する
- Notebookを保存・再実行する
環境構築でつまずいてしまう人も多いので、最初は教材に書いてあるとおりに進めてみるくらいで大丈夫です。
2. Pythonの基礎文法に触れる(1〜2週間)
ここでは、「コードを読んでなんとなく意味が分かる」レベルを目指します。
押さえたい基礎文法
- 変数:x = 10
- データ型:整数・浮動小数点・文字列・リスト・辞書 など
- 条件分岐:if / elif / else
- ループ:for 文
- 関数定義:def my_func(…):
学び方のコツ
- 文法の細かいルールを完全に覚えようとしすぎない
- 「このコードは何をしたいのか?」にフォーカスして読む
- 書籍やオンライン講座の例を少しだけアレンジして実行してみる
例: 10回ループしていたところを5回に変える/メッセージを変えてみる/条件を少し変えてみる など
“写経だけ”で終わらせず、必ず一行でも自分で変えて動かすのがポイントです。
3. pandasで表形式データを扱う(2〜3週間)
Pythonでのデータ分析では、ほぼ必ず登場するのが pandas です。
ここでやりたいこと
- CSVファイルを読み込んで、DataFrame にする
- 行・列の選択(loc / iloc)
- 列の追加・削除
- 欠損値の確認・簡単な処理
- groupby での集計
ExcelやSQLをやってきた人なら、
- 「Excelの表」や「SQLのテーブル」と同じものを、Pythonで扱っているイメージ
を持つと理解しやすいです。
学び方のコツ
- 最初は行・列の操作と集計だけに絞る
- 元のデータを少し変えて、結果がどう変わるかを見る
- 「この操作はExcelで言うと何に近いか?」を考えながら触る
4. 簡単な可視化(グラフ表示)を体験する
機械学習に入る前に、一度「グラフを描く」体験もしておくと理解が深まります。
- matplotlib や seaborn を使って、
- 折れ線グラフ
- ヒストグラム
- 散布図 などを描いてみる
BIツールでやっていたことを、コードでやってみる感覚です。
5. scikit-learnで機械学習モデルを動かす(3〜4週間)
いよいよ機械学習です。
ここでは、「回帰」と「分類」の入門だけを体験します。
回帰(数値を予測する)
- 例:
- 広告費から売上を予測する
- 部屋の広さから家賃を予測する など
- 線形回帰(LinearRegression)あたりから始める
分類(Yes/Noなどを判定する)
- 例:
- メールがスパムかどうか
- 顧客が解約しそうかどうか など
- ロジスティック回帰や決定木などの入門モデル
学び方のステップ
- 教材にあるサンプルコードをそのまま動かしてみる
- 入力データを少し変えて、結果がどう変わるかを見る
- 誤差(MSE・正解率など)の意味をざっくり理解する
ここでは「アルゴリズムの式」よりも、
- どんなデータを入れて
- 何を学習させて
- どんな指標で良し悪しを見るのか
の流れをつかむことの方がずっと大事です。
6. 小さなミニプロジェクトを1つ作ってみる
最後にステップ4の集大成として、ミニプロジェクトを1つ作ってみましょう。
例:こんなテーマがやりやすい
- 公開されているサンプルデータを使って、
- 「家賃を予測するモデル」を作る
- 「テストの点数を予測するモデル」を作る
- ダミーデータでもOKなので、
- 特徴量(説明変数)を自分で決める
- どこまでやるか範囲を決める
アウトプットの形
- Jupyter Notebookに、
- データの読み込み
- 簡単な前処理
- モデルの学習
- 評価指標の表示
- 「今回分かったこと」を数行メモ
- これだけでも、立派なポートフォリオのタネになります。
よくあるつまずきポイントと対処法
① 文法を完璧に覚えようとして止まってしまう
→ 対処:
- 文法書を最初から最後まで読み込もうとしない
- 「データを読み込める」「簡単な集計ができる」くらいで一度先に進む
- 分からない文法は、必要になったタイミングでドキュメントを見る
② 数式や理論に圧倒されてしまう
→ 対処:
- 線形代数や微分積分の細かい理論までは、いったん脇に置いてOK
- 「ここでは、データからパターンを学ぶ箱を使っている」くらいの理解で進める
- 理論を深掘るのは、本当に興味が出てきてからで十分
③ Notebookがどんどんカオスになっていく
→ 対処:
- 大きなステップごとに見出しコメントを入れる(# データ読み込み など)
- 1つのNotebookに詰め込みすぎず、「入門編」「回帰編」「分類編」など分ける
次のステップとロードマップへの接続
ステップ4まで終えると、
- Excel/SQL/BIでの実務寄りスキル
- Python+機械学習の“箱の中身”のイメージ
の両方を持った、かなり強力な20代データ人材のタネになっています。
ロードマップの次のステップでは、
【ステップ5】データ分析ポートフォリオの作り方|未経験でも伝わる成果物の型
【ステップ6】データ職へのキャリアアクション|学習→成果物→応募の行動リスト
に進みます。
まだ全体像を見ていない方は、先にこちらの記事でデータ・AI学習の全体地図を確認してみてください。
→ 社会人のデータ分析ロードマップ|Excel→SQL→BI→Pythonで半年〜1年の全体像
また、Excel・SQL・BIの部分がまだ不安な方は、ステップ1〜3の記事から順番に復習するのがおすすめです。
→ 【ステップ1】Excel基礎|関数・ピボットで“数字に強い人”になる(初心者向け)
→ 【ステップ2】SQL入門|SELECT〜JOIN〜集計で“データを取りに行ける人”になる
→ 【ステップ3】Tableau入門|ダッシュボードの作り方と基本手順(初心者向け)
毎日少しずつでも、Notebookを開いてコードを書く時間を作れば、2〜3ヶ月後には「AIって何をしているの?」という問いに、自分なりの言葉で答えられるようになっているはずです。




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