結論:迷ったら「運用イメージ」から決める
Tableau Desktopでデータソースを選ぶときに出てくる
- ライブ接続
- 抽出
どちらにすべきか、最初は迷いやすいポイントです。
結論から言うと、
- リアルタイム性が最優先なら → ライブ接続
- パフォーマンスや安定性、配布のしやすさを優先するなら → 抽出
が基本です。
ただ、実務では「とりあえずライブ」や「全部抽出」にしてしまうと、後から運用が苦しくなることも多いです。
この記事では、Tableauを使い始めた人向けに「どう使い分ければいいか」を整理します。
この記事でわかること
- ライブ接続と抽出の仕組みの違い
- それぞれのメリット・デメリット
- 実務でのおすすめの使い分けパターン
- 迷ったときのチェックリスト
用語の意味をシンプルに整理しておくと…
まずは言葉の定義を揃えておきます。
ライブ接続とは
Tableauからその都度、元のデータベースやファイルに直接アクセスして、最新のデータを取りに行く接続方法
- データはあくまで「元のDB・ファイル側」にあり、Tableauには常に保存されません
- ビューを開くたびに SQL が実行され、その瞬間のデータでグラフが描かれます
- データの鮮度が高い代わりに、元DBの性能や負荷の影響を強く受けます
抽出とは
元データから必要なデータだけを抜き出して、Tableau専用のファイル(.hyper)として保存し、そのファイルに対して分析する方法
- 抽出を作った時点で、データの“スナップショット”が .hyper にコピーされます
- その後は、抽出ファイルに対してクエリを投げるので、表示が速くなりやすいです
- データを新しくしたいときは、「抽出の更新」を行う必要があります(更新タイミングは設計次第)
そもそも:ライブと抽出って何が違うの?
ざっくり言うと、こういうイメージです。
| 項目 | ライブ接続 | 抽出 |
|---|---|---|
| データの置き場所 | 元のDBやファイルをそのまま参照 | Tableau専用の抽出ファイル(.hyper)にコピー |
| データ更新 | クエリ実行ごとに最新 | 抽出更新のタイミングまで固定 |
| パフォーマンス | 元DBの性能に依存 | 軽くなることが多い |
| 運用 | 元DBの運用ルールに従う | 抽出更新の設計が必要 |
どちらが「正解」ではなく、使うシーンによって最適解が違うイメージです。
ライブ接続の特徴・メリット・デメリット
ライブ接続の特徴
- クエリを投げるたびに、元のデータベース(DB)に直接取りに行く
- データは常に「その瞬間の最新状態」に近い
メリット
- データ鮮度が高い(リアルタイムに近い)
- 抽出を作る/更新する手間が不要
デメリット
- 元DBが重いと、ダッシュボードの表示も遅くなる
- 同時アクセスが多いと、DB負荷が上がる
抽出の特徴・メリット・デメリット
抽出の特徴
- 元DBから必要なデータだけを抜き出して .hyper ファイルとして保存
- Tableauはその抽出ファイルに対してクエリを投げる
メリット
- パフォーマンスが良くなりやすい(特に大規模DBから絞るとき)
- 不要な列・行を抜いておけば、扱うデータ量をぐっと減らせる
- 本番DBへの負荷を抑えられる(社内で喜ばれやすい)
デメリット
- 抽出更新の設計が必要(どのタイミングで更新? 誰が実行?)
- リアルタイムな変化は追えない(更新頻度次第)
- 抽出ファイルの管理が必要(容量・配布・権限)
実務での使い分けパターン(3パターン)
パターン1:最初はライブで探索 → 固まったら抽出化
- はじめはライブ接続で項目やジョイン関係を試す
- 「この集計でいきそう」となったら
- 不要な項目を削る
- 日付/期間・条件で絞る
- そのうえで抽出へ切り替える
いきなり抽出から始めると、設計変更のたびに作り直しになりがちです。
パターン2:運用レポートは基本「抽出」、分析用はケースバイケース
- 定例レポート/ダッシュボード → 抽出にしておき、 → Tableau Server/Cloudのスケジュール更新で自動更新
- スポット分析・一時的な深掘り → ライブ(または一時的な抽出)で柔軟に
この分け方をしておくと、本番環境に優しく、自分も楽になります。
パターン3:リアルタイム性が本当に必要なところだけライブ
リアルタイムである必要があるのは、実はごく一部です。
- 在庫や障害監視など、本当に「今この瞬間」が重要なものだけライブ
- それ以外は「前日締め/1時間ごと更新」などの抽出で十分なことが多い
「とりあえず全部リアルタイム」は、DB負荷も運用負荷も高くなるのでNGです。
迷ったときのチェックリスト
Q1. 分析にリアルタイム性がどれくらい必要?
- 「前日までわかれば十分」→ 抽出でOK
- 「分単位で今を見たい」→ ライブ候補
Q2. 接続先データベースの性能・負荷は大丈夫?
- 本番DBで重いクエリを打ちたくない → 抽出
- 分析専用DWH(SnowflakeやBigQueryなど)が用意されている → ライブでも検討可
Q3. 利用者はどれくらいいる?
- 閲覧ユーザーが多いダッシュボード → 抽出+スケジュール更新が安定
- 一人で使うアドホック分析 → ライブでもOK
Q4. ネットワークに制約はある?
- ファイルそのものを他の人へ共有したい → 抽出にしておく
パフォーマンス視点で見たときの注意点
- ライブ接続で遅いときに、Tableau側だけで頑張っても限界があります → 元のSQL/ビュー設計、インデックス、データ量を見直す必要あり
- 抽出でも、不要な列・行をそのままにすると重くなる → 抽出作成時に「フィルター」や「不要列の削除」を意識する
どちらにしても、「何の粒度で、どの期間・どの列が必要か」を決めることが本質です。
初心者向けまとめ(最初はこれだけ覚えておけばOK)
- ライブ: 「最新のデータをそのまま見たいとき」「まず探索してみたいとき」に使う
- 抽出: 「定例レポート」「閲覧ユーザーが多いダッシュボード」「オフラインでも見たいとき」に使う
迷ったら、
- まずライブで構造を探る
- 運用イメージが見えたら抽出化 この2ステップで進めるのがおすすめです。
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