ダッシュボードを作って共有したのに、誰も開いていない。会議では、いつものExcelの表が配られている。公開した直後は見てもらえたのに、気づけば自分しか見ていない。
最初に確かめたいのは、グラフの見た目ではなく、誰がいつ開くかが決まっているかです。
この記事でわかること
- ダッシュボードが使われない3つの理由と、直し方
- 作る前に確かめる3つ(使われ方・見たい指標や目的・置き場所)
- 見るタイミングと置き場所を決めると、会議で同じ画面を見て話せること
結論:作る前に、使われ方・見たい指標や目的・置き場所を確かめる
ダッシュボードは、使われ方と置き場所を決めてから作ると、作った後も開かれやすくなります。
作る前に自分が確かめるのは、次の3つです。
- このダッシュボードがどのように使われるか
- 見たい指標や目的は何か
- どこに置いて共有するか(メールの連絡やTableau Serverなどによる共有か)
この記事では、「使われ方」を、誰が・いつ・何のためにダッシュボードを開くか、という意味で使います。「いつ」は、週次の会議や月次の報告など、見るタイミングのことです。
使われない理由:スポットで作った・使われ方を確かめていない・共有環境に置いていない
見るタイミングと置き場所が決まっていないダッシュボードは、開かれにくくなります。
自分が作ったダッシュボードでも、スポットで作成したものや、使われ方を確認せずに作成したもの、共有環境に置いていないものは、定期的に使われはしませんでした。
反対に、週次や月次など使われるタイミング、見たい指標や目的が明確に決まっているダッシュボードはよく使われました。
使われない理由3つについて、一般に起きやすいことと、直す入口を表にまとめます。
| 使われない理由 | 起きやすいこと | 直す入口 |
|---|---|---|
| スポットで作成した | 1回見た後、次に開く予定がない | 続けて見るかを作る前に聞く |
| 使われ方を確認せずに作成した | 会議や報告で見たい画面と合わない | 誰が・いつ・何のために開くかを聞く |
| 共有環境に置いていない | 見たい人が開けない | 置き場所と連絡のしかたを決める |
この表では、3つの理由のどれもが、作った後に「いつ・どこで開くか」が決まっていない状態につながっています。
作る前に確かめる3つ:使われ方・見たい指標や目的・置き場所
作る前に3つを確かめると、誰が・いつ・何を見て、どこから開くかが決まります。
この記事では、ダッシュボードを頼んだ人を「依頼者」と呼びます。上司のことも、ほかの部署のこともあります。
1. このダッシュボードがどのように使われるか
なぜ確かめるか:使われ方によって、作るものが変わります。週次の会議で毎回画面に映すのか、月次の報告の前に担当者が1人で見るのかで、載せる期間や更新の間隔が違います。
確かめ方の例:「誰が、いつ、何をするときに開きますか」「毎週や毎月など、見る日は決まっていますか」
決まらないと起きること:1回きりの依頼なのか、続けて見るのかが分からないまま作ることになります。1回きりなら、ダッシュボードにせず、表やグラフ1枚で渡す方が早いこともあります。
2. 見たい指標や目的は何か
なぜ確かめるか:指標は、売上や受注件数など、ダッシュボードで追う数字のことです。目的が分かると、どの指標を載せ、どれを載せないかが決まります。
確かめ方の例:「この画面を見て、何を決めたいですか」「毎回いちばん先に見る数字はどれですか」
決まらないと起きること:載せられる数字を全部並べることになり、見る人がどこを見ればよいか迷います。
目的や見たいものの聞き方は、分析・集計の依頼を受けたときの5つの質問として、次の記事にまとめています。
3. どこに置いて共有するか
なぜ確かめるか:置き場所が決まっていないと、見たい人がダッシュボードを開けません。メールで連絡するのか、共有環境に置くのかで、見る人の手間が変わります。
確かめ方の例:「見る人は、どこから開くのがいちばん楽ですか」「見る日に、メールやチャットで知らせた方がいいですか」
決まらないと起きること:作った人のパソコンにしかなく、見る人は毎回ファイルを頼むことになります。ファイルを送るたびに同じファイルが増え、どれが最新か分からなくなることもあります。
具体例:週次の営業会議で見るダッシュボード
以下は説明のための架空の例です。依頼は「営業の数字をダッシュボードにして」の一言でした。
| 確かめること | 依頼者の答え(架空) |
|---|---|
| 1. どのように使われるか | 毎週月曜の営業会議で、課長が画面に映す |
| 2. 見たい指標や目的 | 先週の受注件数と金額を担当者別に見て、遅れている案件の対応を決める |
| 3. どこに置いて共有するか | 共有環境に置き、月曜の朝にチャットでリンクを送る |
この表では、見るタイミング(毎週月曜)と置き場所(共有環境)が、作る前に決まっています。
余談ですが、ダッシュボードに色をつけていく作業が好きです。
すでに使われていないときの直し方:見るタイミングと置き場所を決め直す
使われていないダッシュボードは、作り直す前に、見るタイミングと置き場所を決め直します。
手順は次の4つです。
- 依頼者と実際に見る人に、使われ方を聞く
- 週次・月次の会議や報告など、見るタイミングを決める
- 共有環境に置き、見るタイミングに合わせて連絡する
- 見るタイミングが決まらないものは、更新を止める候補にする
1では、依頼者と実際に見る人の両方に聞きます。頼んだのは上司で、毎週見るのは現場の担当者、ということがあるためです。
4の見るタイミングが決まらないものは、その時だけの役目を終えたと考えられます。更新を続けると、作る側の手間だけが残ります。
ただ、実際には、すぐにダッシュボードの更新を止めることはできません。止めるにも工数がかかり、承認を取るタイミングもあるためです。まずは止める候補として依頼者に伝え、承認の段取りに乗せます。
それでも開かれないとき
見るタイミングと置き場所を決めても開かれないときは、数字が信用されていないことがあります。元データと数字が合わない、更新されていない、といった問題です。
Tableauで、元データを直したのに数字が変わらないときの確認は、次の記事にまとめています。
もう一つは、目的が変わっていることです。半年前の会議のために作った画面は、今の会議の議題と合わないことがあります。その場合は、2つ目の「見たい指標や目的は何か」から聞き直します。
現場目線の注意点:置いただけで終わらせず、見るタイミングに知らせる
共有環境に置いても、見るタイミングに知らせなければ、ダッシュボードは開かれにくいままです。
「置きました」の連絡1回で終わらせない。最初の連絡は、ほかのメールやチャットに埋もれます。会議の日など、見るタイミングに合わせて、リンクを添えて知らせます。
作る側だけで使われ方を決めない。作る側が「毎日見るはず」と思っていても、見る人は月に1回しか開かないことがあります。見る人に確かめずに作ると、更新の間隔や載せる期間が合いません。
どちらも放っておくと、会議の前にExcelで同じ数字を集め直す作業が残ります。ダッシュボードを作った分の時間が、業務を軽くすることにつながりません。
業務への着地:見るタイミングと置き場所が決まると、同じ画面を見て話せる
見るタイミングと置き場所が決まったダッシュボードは、会議の前の数字集めを減らします。
使われないダッシュボードを残しておくと、作る側には更新の手間だけが残ります。見る側は、会議の前に担当者へ数字を聞いたり、Excelで集め直したりします。
架空の例で、Before/Afterを比べると次のとおりです。
| 場面 | Before | After |
|---|---|---|
| 作り始めるとき | 「作って」の一言で作り始める | 使われ方・見たい指標や目的・置き場所を確かめる |
| できあがった後 | 作った人のパソコンにある | 共有環境に置き、見るタイミングに知らせる |
| 会議の日 | Excelの表を別に配る | 全員が同じダッシュボードを見て話す |
この表では、見るタイミングと置き場所を作る前に決めたことで、会議でダッシュボードが使われています。
見る側にとっても、ファイルを頼まずに、毎回同じ場所で数字を確かめられるようになります。
まとめ
ダッシュボードを作る前に、次の3つを確かめます。
- このダッシュボードがどのように使われるか
- 見たい指標や目的は何か
- どこに置いて共有するか
すでに使われていないものは、作り直す前に、見るタイミングと置き場所を決め直します。それでも開かれないときは、数字が信用されているかと、目的が変わっていないかを確かめます。



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